複数のスマートフォンやタブレットを同時に充電したいと思ったことはありませんか?家族でスマホを使っている、仕事用と私用で複数端末を持っている、あるいは旅行時にデバイスをまとめて充電したいなど、複数機器の充電ニーズは増える一方です。本記事では、複数スマホを同時に充電できる最新充電器の選び方と、用途別におすすめの製品を詳しくご紹介します。
はじめに:複数デバイスの充電問題を解決するための基礎知識
スマートフォン、タブレット、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ…デジタルデバイスが増えれば増えるほど、充電の手間も増えていきます。コンセントの数は限られているのに、充電したい機器は増える一方というジレンマを抱えている方も多いでしょう。しかし今日では、複数のポートを搭載したUSB PD対応の充電器が登場し、最大出力が100Wを超える製品も多くなっています。最近では140Wや200Wという高出力の製品も選択肢として増えてきました。
複数機器充電に適した充電器の特徴とは
複数スマホを同時に充電するための充電器には、主に以下の特徴があります:
- 複数のUSBポート: 2つ以上のポートを搭載し、同時に複数デバイスの充電が可能
- 高出力: 複数デバイスに対応できる十分な電力供給能力
- スマートな電力配分: 接続された各デバイスに最適な電力を自動で配分する機能
- 安全保護機能: 過電圧保護、過電流保護、温度管理などの安全機能
- コンパクト設計: 持ち運びやすい小型化設計(特に旅行時に便利)
複数デバイス充電時の注意点:電力配分のしくみ
複数デバイスを同時充電する際に注意したいのが、ポートごとの出力制限です。例えば、最大出力150Wの充電器で3台のデバイス(65Wのノートパソコン、27Wのスマホ、15Wのゲーム機)を同時充電する場合、単純計算では合計107Wとなり制限内に収まるように見えます。しかし実際には、3台同時接続時に各ポートに「上限50W」という出力制限がかかり、本来65Wで充電可能なノートPCは50Wでしか充電できなくなる場合があります。
そのため、複数デバイスを同時充電する際は、充電器の「同時使用時の各ポート最大出力」に注目することが重要です。
複数スマホの同時充電に最適な充電器を選ぶ6つのポイント
1. 必要なポート数と種類を確認する
まず最初に確認すべきは、あなたが同時に充電したいデバイスの数とそれぞれが使用するポートの種類です。
- USB Type-C: 最新のスマートフォン、タブレット、ノートPCなど
- USB Type-A: 従来型のスマートフォン、周辺機器など
- ワイヤレス充電: Qi対応のスマートフォン、イヤホンケースなど
USB Type-Cは上下のない端子で、従来のType-Aのように向きを間違えて挿しなおす際のストレスがありません。挿し間違えることがないので、端子を破損させるリスクも少ないというメリットがあります。
必要なポート数と種類を考慮して、例えば「USB-C×2、USB-A×1」といった具合に必要な構成の充電器を選びましょう。
2. 充電器の総出力と各ポートの最大出力をチェック
次に重要なのが充電器の出力です。複数機器を同時に充電する際は、以下の2つの数値をチェックしましょう:
- 総出力: 充電器全体の最大出力ワット数(例:100W)
- ポートごとの最大出力: 各ポートが出力できる最大ワット数(例:USB-C1=60W、USB-C2=30W)
機器によって必要な出力が異なります。例えばiPhoneの対応機種なら30W出力のフルスピード充電が可能で、iPhone 14 Proは30分で約50%まで充電できると言われています。 一方で、MacBook Proのような高性能ノートPCには60W以上の出力が必要な場合があります。
3. GaN(窒化ガリウム)採用モデルを優先する
最新の充電器では、従来のシリコンに代わりGaN(窒化ガリウム)を採用した製品が増えています。
GaN充電器のメリット:
- 小型・軽量(同じ出力でも従来品より40%以上小さい)
- 発熱が少なく安全性が高い
- 充電効率が良く省エネルギー
多くの製品が窒化ガリウムを活用した独自技術を採用しており、高出力ながらコンパクトなサイズを実現しています。
4. 安全性と信頼性を重視する
複数のデバイスを同時に充電する場合、安全機能は特に重要です。以下の保護機能を備えた製品を選びましょう:
- 過電圧保護
- 過電流保護
- 短絡保護
- 温度管理・制御機能
優れた充電器は1分間につき240回以上の温度管理・制御を行うといった安全機能も備えています。
5. サイズとデザインを考慮する
複数ポート搭載の充電器は、単ポートのものより大きくなる傾向がありますが、最新のGaN技術採用モデルではコンパクト化が進んでいます。
使用シーンに合わせて選びましょう:
- 据え置き用: デスク上などに設置する場合は、スタンド型や複数機器を整理して置けるタイプ
- 携帯用: 旅行や外出時に使用する場合は、折りたたみプラグ搭載の薄型・軽量モデル
超薄型デザインの製品では、13.6mmという薄さでソファ横などの隙間でも使える充電器や、68×42mmのカードサイズを実現した製品もあります。
6. メーカーの信頼性とサポート体制
充電器は長期間使用するものですので、信頼できるメーカーの製品を選ぶことも重要です。主要メーカーの特徴を以下にまとめました:
アンカー(Anker)は、アメリカ・日本・ヨーロッパなど、世界100か国以上で展開するハードウェアメーカーです。多くのモデルに独自の急速充電技術「PowerIQ」を搭載し、様々な機器へ素早く充電できます。
CIOは大阪に本社を構える日本のメーカーで、「多機能とテクノロジーで新たな常識を」をコンセプトに掲げています。高出力・多機能・コンパクトが揃ったモデルをラインナップしているのが特徴です。
その他、ベルキン(Belkin)、ラヴパワー(RAVPower)、オーキー(AUKEY)なども品質の高い製品を提供しています。
用途別!複数スマホ同時充電におすすめの充電器10選
以下では、用途別に厳選した複数デバイス充電に最適な充電器をご紹介します。
デスクワーク向け:4ポート以上の高出力据え置き型モデル3選
1. Anker 737 Charger (GaNPrime 120W)
主な特徴:
- 総出力:120W
- ポート構成:USB-C×2、USB-A×1
- サイズ:約67×31×57mm
- 重量:約200g
複数のデバイスを急速充電できる高性能モデルです。独自の「PowerIQ」に対応し、3ポート使用する場合は最大120Wの範囲内で自動的に出力が分配される設計です。Type-Cは単ポートで最大100Wまで出力できるため、スマホやタブレット、ノートパソコンなどの急速充電に利用できます。
2. CIO 4ポート充電器 100W
主な特徴:
- 総出力:100W
- ポート構成:USB-C×3、USB-A×1
- サイズ:約80×80×30mm
- 重量:約220g
家族や仕事用に複数デバイスを充電する際に最適なモデルです。4ポート搭載ながらコンパクトなサイズを実現し、ノートPC、タブレット、スマホ、イヤホンなど様々なデバイスを同時充電できます。スマートな電力配分機能で接続機器に最適な電力を供給します。
3. UGREEN Nexode 200W
主な特徴:
- 総出力:200W
- ポート構成:USB-C×4、USB-A×2
- サイズ:約100×100×32mm
- 重量:約480g
大家族やオフィス向けの超高出力モデルです。最大6台のデバイスを同時充電できるため、複数のスマホ、タブレット、ノートPCを一箇所でまとめて充電可能です。電源管理ICが搭載され、各機器に最適な電力供給を自動制御します。
旅行・出張向け:コンパクトで持ち運びやすい多ポートモデル3選
1. Anker 525 Charging Station (40W)
主な特徴:
- 総出力:40W
- ポート構成:USB-C×2、USB-A×3
- サイズ:約80×50×25mm
- 重量:約130g
コンパクトながら5ポート搭載で旅行時に大活躍する充電器です。折りたたみプラグ採用で荷物の邪魔になりません。家族旅行で複数のスマホやタブレットを充電するのに最適です。
2. CIO NovaPort Duo 65W
主な特徴:
- 総出力:65W
- ポート構成:USB-C×2
- サイズ:約68×42×29mm
- 重量:約110g
カード未満のサイズでありながら高出力を実現したモデルです。プラグは折りたたみできるので、持ち運び時にかさばりにくいのが特徴です。 出張や旅行時にノートPCとスマホを同時充電できる便利な充電器です。
3. AUKEY PA-B7 Omnia Mix 65W
主な特徴:
- 総出力:65W
- ポート構成:USB-C×1、USB-A×1
- サイズ:約59×59×27mm
- 重量:約120g
コンパクトかつ軽量で持ち運びに最適な充電器です。GaN技術により従来の充電器と比べて35%小型化されており、バックパックや小さなポーチにも収納できます。ノートPCとスマホの同時充電に便利です。
多機能モデル:充電器+モバイルバッテリー一体型2選
1. Anker PowerCore Fusion 10000
主な特徴:
- バッテリー容量:10,000mAh
- 総出力:充電器モード65W / バッテリーモード30W
- ポート構成:USB-C×2、USB-A×1
- サイズ:約95×70×25mm
- 重量:約300g
1台で2通りの使い方ができる便利な充電器です。9600mAhのバッテリーが内蔵されているので、モバイルバッテリーとしても使用できます。充電器としてもモバイルバッテリーとしても、最大で65Wの出力が可能です。
2. CIO SMARTCOBY Pro SLIM
主な特徴:
- バッテリー容量:5,000mAh
- 総出力:充電器モード45W / バッテリーモード20W
- ポート構成:USB-C×2
- サイズ:約83×83×17mm
- 重量:約200g
ACプラグ付きの充電器兼用のモバイルバッテリーです。コンセントに差し込むだけで本体の充電が行えるほか、2台同時でのUSB PDの急速充電も行えます。充電器として使用時は、モバイルノートPCの電源としても利用できる45W出力が可能です。
ワイヤレス充電対応モデル2選
1. Belkin Boost↑Charge Pro 3-in-1
主な特徴:
- 総出力:45W
- ポート構成:USB-C×1、ワイヤレス充電×2
- サイズ:約150×100×30mm
- 重量:約300g
スマホ、イヤホン、スマートウォッチなど3機種を同時に充電できるワイヤレス充電器です。コンパクトなので場所を取らずに使うことができます。急速充電に対応しているのでとても使いやすく、シックなデザインです。
2. Anker PowerWave Go 3-in-1
主な特徴:
- 総出力:30W
- ポート構成:USB-C×1、ワイヤレス充電×2
- サイズ:約140×80×20mm
- 重量:約250g
折りたたみ式で持ち運びに便利なワイヤレス充電器です。急速充電にも対応し、スマホを縦置き・横置き両方で充電できるため、充電しながら動画視聴なども可能です。出張や旅行先で複数のApple製品を充電するのに最適です。
複数スマホ同時充電のためのケーブル選びのポイント
充電器を選ぶと同時に重要なのが、充電ケーブルです。以下のポイントに注目しましょう:
高品質なケーブルを選ぶ
安価な非認証ケーブルを使用すると、充電速度が遅くなるだけでなく、デバイスを傷める可能性もあります。以下の点に注意しましょう:
- 認証取得: iPhoneには「MFi認証」取得のケーブル
- 急速充電対応: USB PD対応の機器には対応ケーブルを
- 耐久性: 断線防止設計や高耐久素材のケーブル
iPhone充電の場合、Type-AとType-Cでは2倍以上も充電速度に差があるので、充電器と合わせてライトニングケーブルもType-Cに買い替えるのがおすすめです。
マルチ充電ケーブルの活用
複数のコネクタタイプが一つになったマルチ充電ケーブルも便利です:
- 3-in-1タイプ(USB-C、Lightning、micro USB)
- マグネット着脱式タイプ
これらを活用することで、ケーブルの数を減らしながら様々なデバイスを充電できます。
複数スマホの同時充電を効率化するコツ
充電スタンドの活用
複数デバイスを整理して充電するには、充電スタンドが便利です:
複数の機器を同時に充電できるコンパクト充電スタンドを使えば、効率的で素早く扱うことができます。また、自由に調整できる仕切り板付きのモデルなら、複数台置いてもごちゃつかず便利です。
充電時間の分散
すべてのデバイスを同時に充電すると、1台あたりの充電速度が低下する場合があります。重要なデバイスを優先的に充電し、その後他のデバイスを充電するという方法も効率的です。
パススルー充電の活用
パススルー充電(スマホとモバイルバッテリーを同時に充電できる機能)に対応した製品を選べば、旅行先などでスマホとモバイルバッテリーを同時に充電できて便利です。
まとめ:あなたに最適な複数スマホ同時充電の選び方
複数のスマホやデバイスを同時に充電する際は、以下のポイントを押さえましょう:
- 使用シーンを明確に: 家庭用、オフィス用、旅行用など用途に合わせて選ぶ
- 必要な機能を優先: ポート数、出力、サイズなど優先すべき機能を決める
- 将来性を考慮: USB-Cポート搭載など、将来的にも使える製品を選ぶ
- 信頼できるメーカー製を選ぶ: 安全性と品質を重視する
今回ご紹介した充電器は、いずれも複数スマホの同時充電に優れた性能を発揮します。あなたの使用環境やニーズに合わせて、最適な製品を選んでください。
よくある質問(FAQ)
Q1: 複数台同時充電すると、各デバイスの充電速度は遅くなりますか?
A: 充電器の総出力と各ポートの最大出力によります。多くの充電器では、複数台同時接続時に各ポートに出力制限がかかるため、単体で充電する場合よりも充電速度が低下する場合があります。 しかし、総出力に余裕がある高出力モデルなら、複数台同時充電でも十分な速度を維持できます。
Q2: iPhoneとAndroidスマホを同時に充電できますか?
A: はい、可能です。iPhoneとAndroidでは対応可能なW数が異なりますが、その差はそこまで大きくなく、多くのモデルが20~30Wの充電器であれば最高率で充電が可能です。 ただし、一部の高出力対応のAndroidスマホでは、より高い出力に対応した充電器が必要な場合もあります。
Q3: 安全に複数デバイスを充電するためには、どのような機能に注目すべきですか?
A: 過電流保護・過電圧保護・短絡保護など各種保護機能を搭載した製品を選ぶことが重要です。また、温度管理・制御機能を備えた製品も安全性が高いです。 信頼できるメーカーの製品を選ぶことも大切です。
